季節の植物 「糸瓜 (へちま)」

もともとは果実から繊維が得られることから「糸瓜(いとうり)」と呼ばれていたヘチマ。

これが後に略され「と瓜」となり、“と”が「いろは歌」で “へ” と “ち” の間だということから
「へ・ち・間(ま)瓜」になったのが名の由来だそう。

へちま

秋風に揺れるヘチマは、この季節の風物詩です。

若い果実は柔らかく食用にもなりますが、成熟すると繊維が発達してスポンジ状になり、
たわしや靴の底敷きにもなるというので重宝されたものでした。

秋に実が完熟した頃、地上30cmあたりでつるを切り、
根側の切り口を容器に差し込んでおくと数日で「へちま水」がとれ、
このへちま水は化粧水のほか、咳止めや利尿の薬効があるとされています。
また、中秋の名月の夜にとったへちま水が最もよく効くそうです。

インド原産のヘチマが日本に渡来したのは江戸時代。
長く伸びるつるに大きな葉をつけ、数メートルの高さにまで成長するため、
夏の日よけに庭先にも植えられます。

ぶらりと長く下がったヘチマはどこか剽軽ではありますが、
すこぶる実用性に富んだ植物のようです。