季節の草花 「 福寿草 ( ふくじゅそう ) 」

旧暦のお正月が近づく頃、まっさきに咲いて春を教えてくれる福寿草。

古くから正月の床飾りとしておなじみの花で、別名は「元日草」。

他にも「朔日草(ついたちそう)」「歳旦華(さいたんげ)」「賀正蘭」「報春花」「献歳菊」など、

おめでたい名ばかりがついています。

花言葉は「幸福を招く」で、1月1日の誕生花にもなっています。

福寿草

月遅れの旧正月には自然に開花も見られる福寿草ですが、

現在、お正月に花屋さんで売られているものは、ハウス栽培された促成花。

自生地で花が咲き出すのは2月から3月頃です。

また福寿草は種から花を咲かせるのに、なんと5年以上もかかるそうです。

福寿草1

早春の野に春らしい暖かな色で花開く福寿草は、

光を集めるかのように、皆お日様の方を向いています。

この鮮やかな黄色の花は、日が当たると開き、夜間や曇りの日は開きません。

アイヌ語では「クナウノンノ」と呼ばれますが、それは春の女神・クノンから。

ノンノは花の意味だそう。

 

そんな福寿草ですが、根は毒性を含み、

芽を出したばかりの頃はフキノトウに似ているので注意が必要な花でもあります。

 

七十二候・第五候 「 霞始靆 ( かすみはじめてたなびく ) 」

七十二候が雨水の次候に変わり、春霞がたなびき始める頃となりました。

「靆=たなびく」は、霞や雲が層をなし、薄く長く漂っている様子を表しています。

春になると、冬の乾いた空気に比べて、大気中に細かな水滴や塵が増え、
遠くの景色がぼんやりと、かすんで見えることがありますが、
こうした現象を「霞」と呼びます。

霞

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季節の草花 「猫柳 (ねこやなぎ)」

早春のまだ寒さが厳しい頃、枝先に柔らかな絹毛につつまれた花芽をつけるネコヤナギ。

冬芽は、赤い帽子のような殻にすっぽりとおおわれていますが、
春の訪れとともに殻を脱ぎ捨て、白銀色に輝く花芽が次第にふくらみ始めます。

このふかふかとした花芽を猫のしっぽに見立てたことがネコヤナギの名の由来ですが、
一方では小犬の尾にたとえて「狗尾柳(えのころやなぎ)」の別名も。

猫柳(ねこやなぎ)の冬芽

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七十二候 ・ 第四候 「 土脉潤起 ( つちのしょううるおいおこる ) 」

七十二候が雨水の初候に変わり、あたたかな雨に大地が潤い活気づく頃となりました。

降っていた雪がしっとりとした春の雨に変わり、

凍てついた大地もゆっくりと潤い始めます。

忍び寄る春の気配に眠っていた植物が芽吹き始める季節です。

新芽

春の雨で潤い匂い立つ大地や、陽射しにとけたぬかるみ。

春には付き物の光景ですが、わずかな土に喜びを感じる北国の人にとって

「春の土」は待ち焦がれる存在でした。

そんな気持ちが表れた春の季語には「春の土」の他、「土恋し」「土匂う」「春泥」などがあります。

 

また、春先の雪解けでところどころ土が顔を出している様子を「雪間」や「雪の暇」、

そして、そこにもう芽吹き始めた草を「雪間草」といいます。

俳人・沢木欣一の「春近し雪にて拭ふ靴の泥」は、

雪間が見え始め、近づく春への喜びを感じさせる一句です。

二十四節気 「 雨水 ( うすい ) 」

雨水

今日から二十四節気が立春から雨水へと変わります。

この頃になると厳しい寒さも和らいで、降る雪が雨へと変わり、

深く積もった雪もやがて解け始めます。

雪解け水が大地や田畑を潤し、川や湖に張っていた氷も水に戻り、

ようやく春の足音が聞こえ始める季節です。

 

この時期から春にかけて降る雨は「養花雨(ようかう)」や「催花雨(さいかう)」と呼ばれ、

桜など春の花の開花をうながすと言われています。

こうした土や水が動き始める雨水は、昔から農業の準備を始める目安とされてきました。

春一番が吹くのもこの頃ですが、気候が不安定なので突然大雪が降ることも。

 

3月5日から二十四節気は、「啓蟄(けいちつ)」へと変わり、

冬ごもりしていた生き物たちが姿を現し始めます。

季節の言葉 「 霜華 ( しもばな )」

一段と冷え込んだ寒い朝、窓ガラスや車のフロントガラスなどに

雪の結晶のような美しい模様を見ることがあります。

この霜の結晶を「窓霜(まどしも)」または、白い花にたとえて「霜華(しもばな)」といいます。

霜華

また霜の結晶は、そのときの気温や湿度によって形が異なり、

主に「針状」「羽毛状」「杯状」「平板状」「樹枝状」の5種類が見られるそうです。

(写真は樹枝状の霜)

霜華1

暦の上では春となり、日中は気温も上がりますが、長野県は毎朝氷点下続きです。

朝日を浴びるとすぐにとけてしまう霜華は、厳しく冷え込んだ朝のつかの間の楽しみ。

ちなみに窓霜はカラカラに乾燥した日よりも、空気が乾燥しきっていない初冬や

雨・雪の後に多く見られるようです。

 

ところで霜は、よく晴れて風のない、しんしんと冷えた夜によく降ります。

そんな夜は雲がないので、地上の熱が上空へと逃げる「放射冷却」が強まるためです。

そこで、空が晴れて霜の降りる寒い夜を「霜夜(しもよ)」、

霜が降りるようなまったく風のない状態を「霜凪(しもなぎ)」と言い、

そのしんとした静寂を一種の音と感じた季語が「霜の声」です。

また、霜の降りる朝は大抵よく晴れた良い天気なので「霜日和」「霜晴れ」という言葉もあります。

七十二候 ・ 第三候 「 魚上氷 ( うおこおりをいずる ) 」

七十二候が立春・末候に変わりました。

「魚上氷」は、次第に春めき、凍っていた川や湖の表面が割れ、

魚が飛び跳ねる様子を表した候です。

うすらい1

そんな春先の薄く張った氷や解け残った氷のことを「薄氷(うすらい)」や「春の氷」、

「残る氷」と呼びます。

吹く風も柔らかくなり、温かくなった水の中にはゆらゆら泳ぐ魚の姿が見え始める季節です。

 

また2月からは次第に各地で渓流釣りが解禁となります。

渓流釣りといえば岩魚が人気ですが、岩魚は日本在来の渓流魚で、

川の上流の中でも源流に近いところに多く生息しているそうです。

岩陰に潜んで餌をとるため、岩の魚と書いて「いわな」となったそうです。

岩魚や白魚、山女魚など、いずれも訪れる春の楽しみですね。

季節のいきもの 「鷽 (うそ)」

ふっくらとした体つきが愛らしいウソは、スズメよりもやや大きめの小鳥です。

頭は黒く、背は青灰色。

雄は頬から喉が紅色で美しく、しばしば「照鷽(てりうそ)」「赤鷽(あかうそ)」などと呼ばれます。

ウソの雄

これに対して紅色部分がない雌は「雨鷽(あまうそ)」や「黒鷽(くろうそ)」と呼ばれます。

ウソの雌

ウソの声は澄みとおって美しく、口笛を吹くような柔らかい音色です。

口笛を吹くことを「嘯く(うそぶく)」と言いますが、
「ふぃーふぃー」という、このさえずりが口笛に似ていることが名の由来になっています。

また、その声と姿の美しさから「ウソ姫」の別名も。

一方、ウソはさえずるときに左右の脚を交互に上げ下げし、
あたかも琴を弾いているように見えることから「琴弾鳥(ことひきどり)」とも言われます。

山地の樹林にすむウソは、繁殖期に人里で姿を見ることはほとんどありませんが、
餌が少なくなる冬になると低地に降りてきます。

そして早春には梅や桜のふくらみかけたツボミを好んで食べてしまいます。

春の季語として古くから歌にも詠まれ親しまれてきたウソですが、
そんなところから駆除の対象となってしまうこともあるそうです。

七十二候 ・ 第二候 「 黄鶯睍睆 ( うぐいすなく ) 」

七十二候が立春・次候に変わり、山里ではウグイスが鳴き始める頃となりました。

「睍睆」とは鳴き声の良いという意味で、その美しい音色からウグイスは、

オオルリ、コマドリとともに日本三鳴鳥に数えられています。

 

「ホーホケキョ」という、ウグイスおなじみのさえずりは雄のみのもので、

気象庁ではこのウグイスのさえずりを初めて聞いた日を「ウグイスの初鳴日」として、

梅や桜の開花とともに観測しています。

ウグイスの初鳴きは一般に温暖な地方ほど早く、沖縄や九州では2月20日頃、

北海道では4月30日頃と「初鳴き前線」は季節の進行とともに北上していきます。

ウグイスが別名「春告鳥」や「報春鳥」と呼ばれるのも、そんなところからきています。

 

また、その年に初めて鳴くウグイスの声を「初音(はつね)」といいますが、

実はこの頃の鳴き声はまだ本調子ではありません。

「ホーホー、ケッケッ、ケキョ・・」と鳴き声を整えている状況を「ぐぜり鳴き」と呼び、

その初々しい声を聞くのもまた微笑ましいものです。

 

メジロ

近所にウグイスの姿はまだないものの、今月に入り、

一足先にメジロの姿が見られるようになりました。

目の周りが白いメジロは、ウグイスと同じく春を象徴する鳥で、

体の色からよくウグイスと混同されます。

(写真はメジロです)

まだまだ寒さありますが、日中の日差しは暖かく、

少しずつ春の兆しが色濃く感じられるようになりました。