七十二候 ・ 第十七候 「 霜止出苗 ( しもやんでなえいずる ) 」

今日から七十二候では穀雨の次候「霜止出苗」を迎えました。

暖かくなるとともに、霜も降りなくなり、苗が健やかに育つころをいいます。

種籾が芽吹き、すくすくと、青々と伸びていきます。

 

とはいえ、「八十八夜の忘れ霜」といって、暖かさに霜の心配を忘れかけた4月下旬ごろ、

思わぬ遅霜に見まわれることがあります。

霜は、農業に対する影響が大きく、特に茶葉にとっては大敵。

茶業関係者は、遅霜予報を聞いて、防霜ファンの駆動制御やシート掛けなどの対策を行うそうです。

 

10月下旬に二十四節気は「霜降」へと移り変わり、この頃からまた霜が降りはじめます。

 

七十二候 ・ 第十六候 「 葭始生 ( あしはじめてしょうず ) 」

だんだんと暖かくなり、野山だけでなく、水辺の葭も芽を吹き出しはじめる時季をいいます。

夏には背を伸ばし、秋には金色の穂が風になびきます。

 

葦は「葭」とも、「蘆」とも書きます。

そして、「あし」は「悪(あ)し」にも通じていることから、「善(よ)し」とも読まれます。

これは、日本独自の言霊思想に基づく忌み言葉のひとつです。

忌み言葉は、縁起が悪く忌みはばかって使用を避ける語ですが、

他にも梨を「有りの実」、披露宴の終わりなどを「お開き」、すり鉢を「あたり鉢」、

また河童を「旅の人」というものまであります。

 

葦の茎は、竹同様に中が空洞なので、軽くて丈夫です。

葦簀(よしず)や葦笛(あしぶえ)、茅葺き民家の屋根材などとして、

古くからさまざまな形で利用され、人々の暮らしに身近な植物でした。

 

二十四節気 「 穀雨 ( こくう ) 」

先日、春季の最後の節気である「穀雨」を迎えました。

穀物に実りをもたらす雨がしっとり降りそそぐ頃をいいます。

春雨が百穀を潤すことから名づけられたもので、この頃から田畑では種蒔きを始めます。

 

穀雨は、5月5日の立夏の前日まで。

「清明になると雪が降らなくなり、穀雨になると霜が降りることもなくなる」

という言葉があるように、変わりやすい春の天気もこの頃から安定し、

次第に陽射しも強まってきます。

季節の花 「 水芭蕉 ( みずばしょう ) 」

水芭蕉

先日、桜餅を求めて和菓子屋さんへ行ったところ、「水芭蕉」の練切がありました。

水芭蕉といえば『夏の思い出』で歌われていたことから初夏の花だと思っていたのですが、

自宅から少し離れた湖で「水芭蕉まつり」が行われていました。

といっても、もうピークをすぎて、すこし茶色くなり始めていましたが・・。

 

さっそく調べてみると、どうやら水芭蕉は雪解けの春に咲く花のようです。

春が遅い尾瀬では、5月下旬から6月上旬が水芭蕉の最盛期と分かり納得です。

来年はもう少し早く見に行きたいなと思います。

錫小皿(水芭蕉)

ちなみにこちらが、塩尻市にある御菓子司・一誠堂さんの練切り「水芭蕉」。

見ているだけでもほれぼれする見事な仕上がり。甘すぎずとても上品なお味です。

季節の花 「 杏 ( あんず ) 」

杏

2週間前にはまだつぼみだった杏の花が満開になりました。

杏の花は淡いピンク色で、満開になるとほのかに甘い香りがただよってきます。

 

一見桜のようにも見える杏ですが、春遅い信州では桜より少し先に花開きます。

実は長野県は杏が有名で、千曲市には日本一の規模を誇る「あんずの里」があり、

6月から7月にかけては、あんず狩りも楽しめます。

 

美人の形容に「杏瞼桃腮(きょうけんとうさい)」という

四字熟語がありますがご存知でしょうか?

杏の花のような白い顔と、桃の花のような紅の頬をいいますが、

雛人形のお雛さまをイメージするのは私だけでしょうか。

なんだか詩的な表現ですね。

 

七十二候 ・ 第十五候 「 虹始見 ( にじはじめてあらわる ) 」

今日から七十二候では清明の末候「虹始見」。

春が深くなるとともに、だんだんと空気が潤い、雨上がりに

冬にはなかった虹が現れ始めるころをいいます。

これから夏にかけて、夕立のあとに多く見られるようになります。

 

単に「虹」といえば夏の季語ですが、「初虹」は春に初めて立つ虹を指します。

春は陽の光はまだ弱く、その分夏に比べると、春の虹は淡くはかないもですが、

それもまた趣があり、よいものです。

 

11月中旬には「 虹蔵不見 ( にじかくれてみえず ) 」という季節があり、

晩秋、日の力が弱まって虹が見えなくなる頃をいいます。

 

春の味覚、山菜天ぷら

たらの芽

スーパーでもいろいろ山菜が並ぶ季節になりましたね。

我が家では先日、ふきのとう、たらの芽、うどの穂先の山菜天ぷらを楽しみました。

どれも独自の風味とほろ苦さがあり、口いっぱいに春の息吹が吹き込みます。

 

中でもお気に入りは「たらの芽」。

紫色のはかまをとると現れる、ふわりと柔らかい黄みどり色。

春を代表する山菜です。

 

たらの芽は、山菜の中でも特にあくが少なく、ほっくりとした食感と

香ばしい味わいを楽しむことができます。

ほどよい脂肪分があり、タンパク質も豊富。

葉酸を多く含むので、血行を良くしてくれたりと、実は栄養もたっぷり。

 

「春の皿には苦みを盛れ」とは先人の言葉。

山菜の苦みは、冬の間におとろえた体を目覚めさせてくれます。

冬ごもりから出てきた熊が初めに口にするものは、

ふきのとうとも、たらの芽とも言われています。

七十二候 ・ 第十四候 「 鴻雁北 ( こうがんかえる ) 」

今日から七十二候では清明の次候「鴻雁北」。

春に渡来し秋に去るツバメとは反対に、

冬を日本で過ごした雁が北のシベリアへと帰っていきます。

鴻と雁は両方とも、「かり」のことですが、「鴻」は「ひしくい」と読み、大型の雁を指します。

 

古来から日本人は、雁の行き来に、趣や季節の移り変わりを感じ、数多く詩歌に詠まれてきました。

ちなみに「雁」「雁渡る」は秋の、「雁帰る」は春の季語。

 

雁は、家紋にも多く使われ、和菓子の「落雁」や、高級茎茶の「雁が音(かりがね)」にも

結び付きがあることから、古くから日本人に親しまれてきたことがうかがえます。

 

10月上旬には「 鴻雁来  ( こうがんきたる ) 」という季節があり、

春に帰っていった雁がまた日本へやってきます。

 

 

季節の花 「 蒲公英 ( たんぽぽ ) 」

たんぽぽ

庭にこの春一番の小さなたんぽぽが咲きました。

春は毎日発見があり楽しい季節ですね。

 

「タンポポが閉じると雨」

このことわざ、ご存知でしょうか?

タンポポは光に敏感で、太陽の光が少なくなると閉じるという性質からそのように言われています。

明るいと花が開き、 暗いと閉じてしまいます。

タンポポが昼間に 閉じている時は、曇り空の時で低気圧が近づ いているときでもあります。

 

同じく、先日話題となったツバメにも天気のことわざがあります。

「ツバメが低く飛ぶと雨が降る」

雨が降る前は湿度が高くなり、ツバメの餌となる小さな虫たちの羽も湿り気をおびて

重たくなるため、虫たちは高く飛ぶことができなります。

このため、虫を追いかけるツバメも低空を飛ぶことになるからと言われています。

先人の知恵はすごいですね。

 

 

 

七十二候 ・ 第十三候 「 玄鳥至 ( つばめきたる ) 」

先日、七十二候では清明の初候「玄鳥至」を迎えました。

冬を暖かい東南アジアで過ごしたツバメが海を渡って日本にやってくるころをいいます。

ツバメが飛来してきたら、本格的な農耕シーズンの始まり。

 

日本では昔から「ツバメが巣をかけると、その家に幸せが訪れる」という言い伝えがあり、

ツバメは大切に扱われてきました。 これは、ツバメは米等の作物を荒らさず、

害虫だけを食べてくれる益鳥として 親しまれてきたことも関係しています。

 

ところでツバメが1日に捕まえる虫の量は、いったいどのくらいでしょうか。

子育て中の親が餌を運ぶ回数は、1時間に約40回。

そして、この頃の親鳥は、1日に13時間程働くので、

520匹もの虫を子ツバメに運ぶことになります。

さらに親ツバメも、1日に2~300匹の虫を食べるので、

1日に捕まえる虫の量は、7~800匹ということになります。

ツバメは本当によく食べ、よく働く鳥ですね。

 

9月中旬には「 玄鳥去 ( つばめさる ) 」という季節があり、

春にやってきたツバメが子育てを終え、南へと帰り始めます。